製造業で働く人たちは危険がいっぱいです。
ですので、KY活動やRAを積極的に実施しています。
KYもRAも製造業で働くなら知っていないと困ったことになります。
もちろん、会社で教育するべきですが、ほとんど企業が障りだけ説明して
あとは経験で補う企業が多いです。
今回はRA(リスクアセスメント)のご紹介をしますので職場で役立ててください。
目次
【簡単説明】やり方の前に…RA(リスクアセスメント)って何?
RA(リスクアセスメント)とは職場にある潜在的な危険性や有害性を見つけ出して、
複数人で共有して除去、低減をするための手法の1つです。

仕事場にある危ないことを見つけ出して改善していくだけです。
でも危ないことって100%は改善できないんです。そういった場合は、許容できる範囲まで危ない場所を改善するんです。

なんだかよく分からないです・・・

何となく分かりましたか?
階段の問題は、手すりを取り付けるくらいは出来るかも知れませんが、
足を踏み外すのは、人の行動なので注意するしかないんです。
なので、皆さんは「階段で足を踏み外して転げ落ちるかも知れない」ということを
覚悟して階段を昇降しないといけないことを無意識に理解して行動しているんです。
他には「飛行機が落ちる」「電車が脱線する」など危険の可能性はどこにでも潜んでいます。
そんな危険を知っていても、飛行機や電車にも乗りますよね。
これは全て皆さんが、危険を承知で「許容できる範囲で利用している」ことなんです。
ということで、許容できる範囲以外の危険性や有害性を見つけ出して改善することがRAです。
RA(リスクアセスメント)のやり方
RA(リスクアセスメント)のやり方はとても簡単です。
皆さんの職場を複数人(チーム)で見て回り、
危険・有害性を出す⇒評価⇒優先度を決定⇒対策検討⇒対策実施⇒再評価
この流れで実施しています。
では、具体的にどのようにしていけば良いのかを今から説明していきますね。
危険性または有害性を特定する
はじめに複数人(チーム)で職場を見て回り、危ないと感じる場所を各自がチェックします。
例えばこんな感じ
危険な箇所をチェック
- 床面に側溝があるが、グレーチング(網)がないので、ハマって足を捻る。
- 刃物が触れる状態なので、指を切る。
- コンセントに埃が積もっているので漏電して感電する。
- 材料置場に柵がないので、近くを通った時に材料が倒れてきて下敷きになる。
- 薬品が自由に触れる場所に置いていあるので間違って使用し化学熱傷する。
とても低い確率でも、危険と感じたことは全て出しましょう。
ここで出た危険性や有害性は、次の工程で危険性の評価をします。
危険性または有害性のリスク評価する。
危険性・有害性を特定したら、次に行うのは「リスク評価」です。
リスク評価とは、どれだけの危険があるかを点数で評価することです。
評価方法はマトリックスを用いて評価することが多いです。
特定した危険が表のどこに当てはまるかを複数人(チーム)で話し合って決めてもらいます。
致命傷 | 重傷 | 中傷 | 軽傷 | ||
発生頻度 | よくある | 5 | 5 | 4 | 3 |
たまにある | 5 | 4 | 3 | 2 | |
可能性がある | 4 | 3 | 2 | 1 | |
ほとんどない | 4 | 2 | 1 | 0 |
リスク評価を基に優先度を決定する
リスク評価された「特定された危険」に対して、「優先度」を決定します。
普通に考えると、リスク評価された際に点数が高かったものは、優先度が高いと思いますよね。

発生頻度がほとんどない事象の点数が高くても、よく発生する軽傷や中傷を優先したほうがいいと思いませんか?
どれだけ点数が高くても、発生する可能性がほとんどない事象より、
多発する軽傷や中傷を解決するほうが働く社員からすると安全な職場になったと感じます。
たまに会社が良かれと思ってやることが、社員には響かないことってありますよね。
そんな、響かないことは後回しでいいんです。
リスク低減の対策案を検討する
優先度が決まったら、どうすれば特定された危険を改善できるのかを検討して頂きます。
一人では出てこない改善案も複数人(チーム)で考えれば、たくさん出てくるハズです。
そして、チームで出し合った対策案を実施したら、リスクがどうなるかを評価してください。
致命傷 | 重傷 | 中傷 | 軽傷 | ||
発生頻度 | よくある | 5 | 5 | 4 | 3 |
たまにある | 5 | 4 | 3 | 2 | |
可能性がある | 4 | 3 | 2 | 1 | |
ほとんどない | 4 | 2 | 1 | 0 |
対策実施後の点数が0になることは基本あり得ないので、もともとの点数からどれだけ
点数を下げることが出来るかを見て、現実的で点数が一番下がる対策がより良い対策であると
思って点数付けしてください。
リスク低減のために対策を実施
対策の検討が終わったら対策の実施です。
対策検討で点数付けした一番効果があると考える対策から実施してください。

対策検討ではイメージしかなかったものが実際にやってみてどうなったかを確認してくださいね。
もし、思っていたほど点数が下がらなかった場合は、他の対策を実施してください。
最終的には、許容できる範囲のリスクまで下げることが出来れば完了です。
まとめ:RA(リスクアセスメント)のやり方を理解して実践へ!
RA(リスクアセスメント)は、
職場内にある潜在的な危険・有害性を見つけ出して、除去・低減することです。
そのための方法は、以下の通りです。
ココがポイント
- 危険性または有害性を特定する
- 危険性または有害性のリスク評価をする
- リスク評価を基に優先度を決定する
- リスク低減の対策案を検討する
- リスク低減のために対策を実施する
- 複数人(チーム)でやることで、多くの考えを取り入れること
- 評価はマトリックスを取り入れて点数評価をすることが好ましい
- 対策検討時にリスク評価を取り入れると、より良い対策になる
これらのポイントをしっかりと頭に入れて考えていきましょう。

RA(リスクアセスメント)は完全にリスクを取り除けるわけではありません。
ほとんどのリスクは低減されてより安全になったという考え方です。
なので、安心して気を抜くと怪我をする場合があることを知っておいてください。
はじめに伝えたとおり、
許容できる範囲以外の危険性・有害性を改善するということを忘れないでくださいね。
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